なぜ今、白樺のクリスマスオーナメントが選ばれるのか?
街がイルミネーションで彩られる季節、自宅のクリスマスツリーを見上げて「何かが足りない」「去年と同じで代わり映えしない」と感じたことはありませんか?
プラスチック製のキラキラしたボールオーナメントは華やかですが、近年トレンドとなっている「北欧モダン」や「ナチュラルインテリア」の中では、少し浮いて見えてしまうという悩みを抱える方がいます。そこで今、感度の高いインテリア愛好家の間で静かなブームを超え、定番となりつつあるのが「白樺(シラカバ)で作られたクリスマスオーナメント」です。
白樺は「森の女王」とも呼ばれ、北欧フィンランドやスウェーデン、そして日本の北海道などで古くから愛されてきた素材です。その樹皮を使って編まれたオーナメントは、派手な主張こそしませんが、そこにあるだけで部屋の空気を温かく、上質なものに変える力を持っています。
単なる飾りとしてではなく「一生モノの資産」として楽しむための白樺オーナメントの魅力、選び方、そして長く愛用するためのメンテナンス方法を徹底解説します。これを読めば、今年のクリスマスはワンランク上の、心安らぐ空間を作ることができるはずです。
白樺オーナメントが「一生モノ」と呼ばれる3つの理由

白樺のオーナメントは、100円ショップや量販店で買えるプラスチック製品とは一線を画します。なぜこれほどまでに人々を魅了するのか、その本質的な価値を3つのポイントで深掘りします。
1. 自然素材ならではの「経年変化(エイジング)」
白樺細工の最大の魅力は、時間とともに育っていくことにあります。購入当初は白っぽく淡いベージュ色をしていますが、1年、2年と時を重ねるごとに、飴色(あめいろ)のような深く艶のある茶色へと変化していきます。
これは革製品のエイジングに似ています。室内の光や空気に触れることで、樹皮に含まれるタンニンなどの成分が反応し、独特の深みが増していくのです。
「去年よりも少し色が濃くなったね」
クリスマスの時期に箱から取り出すたび、そんな会話が生まれるのも白樺ならでは。子供の成長と共に、オーナメントも色づいていく。単なる「モノ」ではなく、家族の歴史を刻む「記憶の依り代」としての価値がそこにあります。
2. どんなインテリアにも馴染む「調和力」
「北欧インテリアにしか合わないのでは?」と思われるかもしれませんが、実は非常に汎用性が高いアイテムです。
- 北欧スタイル:文句なしの相性。グレーやホワイトを基調とした部屋に、木の温もりがアクセントになります。
- 和モダン:白樺は日本の住環境とも親和性が高く、畳の部屋や和風の設えにも違和感なく溶け込みます。
- インダストリアル:無機質なコンクリートやアイアン素材の中に、有機的な白樺を取り入れることで、空間に抜け感が生まれます。
主張しすぎないマットな質感と自然な色彩は、他のオーナメント(ガラス、フェルト、金属)とも喧嘩をしません。既存のツリーに買い足すだけでも、全体のグレードを引き上げてくれる「調和力」を持っています。
3. 伝統工芸「ネーベルスロイド」の背景にある物語
白樺細工は、スウェーデン語で「ネーベルスロイド(Näverlud)」と呼ばれます。「ネーベル」は白樺の樹皮、「スロイド」は手工芸を意味します。
北欧の厳しい冬、家の中で過ごす時間を豊かにするために、農家の人々が生活道具として作り始めたのが起源です。
職人が一つひとつ、樹皮の目を読み、丁寧に編み込んだオーナメントには、機械生産にはない「揺らぎ」と「強さ」があります。この背景にあるストーリーを知ることで、ただ飾るだけでなく、その文化や歴史に想いを馳せる豊かな時間を過ごすことができます。
失敗しない白樺オーナメントの取り入れ方
「興味はあるけれど、どこで買えばいい?」「高価なものは手が出しにくい」という方のために、具体的な3つのアプローチ(解決策)を提示します。
本物を手に入れる(購入ルートと選び方)
本物の白樺樹皮を使ったオーナメントは、専門店や作家もののマーケットで購入するのが一番ですが手に入らない場合はフリマサイトから購入できます。
- 購入時のチェックポイント:
- 産地:フィンランド産、ロシア産、北海道産が主流です。北海道産は希少価値が高く、やや高価ですが品質は極上です。
- 厚みと弾力:良質な樹皮はしっとりとしていて弾力があります。カサカサしてひび割れそうなものは避けましょう。
- 編み目:隙間なくきっちりと編まれているか確認しましょう。
【主なデザインの種類】
| デザイン名 | 特徴 | おすすめの飾り方 |
| スター(星型) | 最も定番。立体的で存在感がある。 | ツリーのトップや枝先に |
| ブーツ・靴下 | 愛らしい形状。中に小さな枝を挿しても◎。 | 壁掛け、ドアノブ |
| ボール | 樹皮を球状に編んだもの。モダンな印象。 | ツリー、ボウルに入れて卓上へ |
| 天使・トナカイ | 複雑な造形。職人の技が光る。 | 特等席に単体で飾る |
白樺風テープで「手作り(DIY)」に挑戦する
「本物は高くて数を揃えられない」という方には、白樺風のクラフトテープ(ペーパーバンド)を使ったハンドメイドがおすすめです。
最近では、本物の樹皮と見紛うようなリアルなプリントやテクスチャのクラフトテープが販売されています。これらは「ビアンカ」や「白樺風テープ」という名称で、手芸店やネットショップで入手可能です。
【DIYのメリット】
- コストパフォーマンス:数百円の材料費で、たくさんのオーナメントが作れます。
- サイズ調整:自宅のツリーに合わせて、大小さまざまなサイズを自由に作れます。
- 扱いやすさ:天然素材のような割れやカビの心配が少なく、初心者でも扱いやすいです。
簡単な「白樺風スター」の作り方手順(概要)
- テープを同じ長さに4本カットする。
- 中心で十字に組み、井桁(いげた)状にする。
- 端を折り返して立体的に編み込んでいく。
- 余分なテープをカットして完成。※YouTubeなどで「白樺 星 作り方」と検索すると多くの動画が出てきます。
正しい「保管とメンテナンス」を知る
天然の白樺オーナメントを導入する際の最大の懸念は「カビ」や「乾燥による割れ」です。ここをクリアにしないと、翌年には使えなくなってしまうこともあります。
【プロが教えるメンテナンスの極意】
- シーズン中のケア:
- 極端な乾燥は敵です。暖房の風が直接当たる場所は避けてください。
- ホコリは柔らかいブラシ(化粧筆などがおすすめ)で優しく払い落とします。水拭きは基本NGです。
- シーズンオフの保管:
- 重要:ビニール袋での密閉は厳禁です。湿気がこもり、カビの原因になります。
- 新聞紙や薄紙に包み、通気性の良い紙箱やカゴに入れて保管します。
- 乾燥剤(シリカゲル)を一つ入れておくと安心ですが、入れすぎると乾燥しすぎて割れる原因になるので注意が必要です。
- 保湿ケア:
- 数年に一度、表面がカサついてきたと感じたら、蜜蝋(ミツロウ)クリームやクルミオイルを極薄く塗布します。これにより艶が戻り、ひび割れを防げます。
実践!センス良く見せる白樺オーナメントの飾り方実例
ここでは、実際に白樺オーナメントを使って部屋をコーディネートするための具体例を3つ紹介します。
グリーン×白樺の「森のツリー」
最も王道のスタイルです。あえて色味を足さず、モミの木の「グリーン」と白樺の「ベージュ/ブラウン」、そして電飾の「シャンパンゴールド」のみで構成します。
- ポイント:オーナメントのサイズに変化をつけること。大きい星、中くらいのボール、小さいブーツなどをランダムに配置します。
- 効果:静寂な森の中にいるような、落ち着いた大人のクリスマスツリーが完成します。赤や金のオーナメントを使わない引き算の美学です。
枝ツリー(ブランチツリー)で「空中ディスプレイ」
大きなツリーを置く場所がない方におすすめなのが、花瓶に生けた枝(ドウダンツツジの枯れ枝や、白塗りの枝)に飾る方法です。
- ポイント:枝のラインを生かし、少なめの数(3〜5個)をバランスよく吊るします。紐の部分をテグス(透明な糸)に変えると、オーナメントが宙に浮いているように見え、より幻想的になります。
- 効果:チェストの上や玄関など、省スペースでも季節感を演出できます。影が壁に映る様子もアーティスティックです。
ガーランドとして「壁面デコレーション」
ツリーを使わず、麻紐や革紐に白樺オーナメントを通してガーランドにし、壁や窓辺に飾る方法です。
- ポイント:白樺オーナメントの間に、ドライフラワー(松ぼっくり、ユーカリ、コットンフラワーなど)を挟みます。
- 効果:平面的な壁にリズムが生まれます。特に白い壁に飾ると、白樺のシルエットが美しく際立ちます。賃貸でもマスキングテープなどで固定できるため、気軽に取り入れられます。
白樺オーナメントに関するよくある質問(FAQ)
読者が疑問に思う点をQ&A形式でまとめました。
- 1. 白樺の樹皮が剥がれてきてしまいました。修理できますか?
軽微な剥がれであれば、木工用ボンドで補修可能です。爪楊枝などで少量のボンドを隙間に入れ、マスキングテープで固定して一晩乾かしてください。
- 2. ネット通販で買う際、写真と色が違うことはありますか?
天然素材のため、個体差が必ずあります。節(ふし)や樹皮の色ムラは不良品ではなく、天然の証です。気になる場合は、現物を選べる店舗か、個体ごとの写真を掲載しているショップを選ぶことをお勧めします。
- 3. ペットを飼っていますが、かじられたりしませんか?
木の香りがするため、犬や猫が興味を持つことがあります。誤飲を防ぐため、ペットが届かない高い位置(ブランチツリーや壁掛け)に飾るのが安全です。
白樺オーナメントで育てるクリスマスの思い出
白樺のクリスマスオーナメントは、単なる季節の飾り付け以上の価値を持っています。
- 自然の温もり:プラスチックにはない質感と癒やし。
- 育てる楽しみ:年々深まる色合いと愛着。
- 普遍的なデザイン:流行に左右されず、どんな部屋にも馴染む。
今年のクリスマスは、派手な装飾を少し控えめにして、白樺という自然の恵みを部屋に招き入れてみませんか?その素朴で力強い存在感は、忙しい年末の日常に、ふっと深呼吸できるような安らぎを与えてくれるはずです。
まずは、お気に入りの「星」をひとつ、探すところから始めてみてください。それが、あなただけの素敵な「北欧クリスマス」の始まりになるでしょう。
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