なぜ年末年始は空き巣被害が増えるのか

年末年始は帰省や旅行などで家を数日間空ける家庭が多く、侵入窃盗の発生件数が増加する時期です。
警察庁の統計(※参考:「令和5年版 住まいの防犯対策」)によると、空き巣の多くは「不在家庭」を事前に下見して狙う傾向が強いことが分かっています。
その際に使われるのが、玄関やポストに残される「マーキング」です。
あなたの家にも?「マーキング」の正体と意味
玄関チャイム裏や表札の端などに、小さな数字やアルファベット、シールが貼られていませんか?
これらは、空き巣が下見の際に残す「情報共有用の暗号」である場合があります。
【重要】マーキングが書かれやすい場所チェックリスト
犯人は「仲間にはわかるが、住人には気づかれにくい場所」を狙います。以下の場所を重点的に確認してください。
玄関ドアの枠・クローザー:ドア上部の金具(ドアクローザー)の隙間。
表札の隅・裏側:最も一般的。指で触ってみて凹凸がないか確認。
インターホン(底面・裏):下からのぞき込まないと見えない位置。
ポストの側面・裏側:投函口の近くや、底の角。
電気・ガス・水道のメーター:配管部分や、メーターボックスの扉の隅。
主なマーキング例と意味

| 表示内容 | 意味の一例 |
|---|---|
| M / W | M=男性、W=女性 |
| S / F | S=一人暮らし、F=家族 |
| 9–18 | 不在の時間帯(9時~18時) |
| ○ / × | 侵入しやすい・難しい |
| 色付きシール | ターゲット区分を示すケースも |
※実際には、訪問販売員や点検業者が残す場合もありますが、いずれにしても「外部に記号を残される状態」は防犯リスクです。
マーキングを見つけたときの正しい対応
- すぐに削除する。
除光液やアルコール、メラミンスポンジなどで完全に消去。
シールは跡が残らないよう丁寧に剥がします。 - 防犯意識の高さを示す。
こまめに周囲を確認していることが伝わることで、「見張られている」と思わせ、犯人が敬遠します。 - 警察への相談も検討。
不審な記号が繰り返し見つかる場合は、最寄りの警察署や交番に通報しましょう。
外出前にできる「情報遮断」が最強の防犯
空き巣は「留守を確信」してから行動を起こします。
だからこそ 「不在を悟らせない」 対応を徹底しましょう。
郵便・新聞は必ず一時停止を
配達物の溜まりは「不在のサイン」。
新聞販売店への配達休止依頼、郵便局の**不在届(最長30日間保管)**を活用しましょう。
SNSでの外出シェアは控える
「旅行中」「空港なう」といった投稿は、犯人への“在宅情報”の暴露になりかねません。
旅行中の写真は帰宅後に投稿する習慣をつけましょう。
防犯ガジェット活用術:光と音で「人の気配」を作る
最近は安価なスマート家電で、防犯効果を高められます。
タイマー照明・スマートプラグ
夜に明かりが点かない家は狙われやすい傾向があります。
照明を自動オンにするタイマー機能付きLEDライトや、スマホ操作ができるスマートプラグを活用しましょう。
毎日微妙に点灯時間をずらすと、より自然に見えます。
ラジオ・テレビの常時稼働
音が漏れるだけでも「誰かいる」印象を与えます。
タイマーで定時に音を出す設定も効果的です。
物理的な「侵入時間」を稼ぐ工夫
侵入に時間がかかる家ほど、犯人のリスクが高まり、途中で諦めます。
- 補助錠の追加(ワンドア・ツーロック):玄関と窓に1つずつ追加。
- 防犯砂利の設置:足音で気づかれやすくする。
- 屋外センサーライト:人を感知して自動点灯。心理的 deterrence(抑止力)を発揮。
出発前チェックリスト【保存版】

| チェック項目 | 内容 | 完了 |
|---|---|---|
| 施錠確認 | 全ての窓・玄関・勝手口をチェック | [ ] |
| マーキング確認 | 表札・ポスト周辺に異常がないか | [ ] |
| 郵便・新聞対応 | 配達停止または保管手続き済み | [ ] |
| 照明タイマー | 夜間自動点灯設定を確認 | [ ] |
| SNS投稿 | 外出中のリアルタイム発信は控えたか | [ ] |
*「光・音・時間・目(見える場所)」の4点を意識すると、防犯力が格段に上がります。
まとめ:小さな注意が大切な家を守る
年末年始は空き巣が最も活発になる季節。
最初の一歩として、玄関やポスト周りに不審な印がないか確認してみましょう。
日頃の見回りと防犯意識の高さが、被害を未然に防ぐ最大の鍵です。
警察庁「住まいの防犯対策」公的ページ

